投稿日: 2025年10月31日

1. 広がり続ける「脱炭素の責任」
脱炭素経営が当たり前となった今、多くの企業が頭を抱えるのが「サプライチェーン全体の排出量」――いわゆるScope3の対応です。
CDPやSBTiなど国際的な開示基準でも、Scope3の算定や削減目標設定が求められるようになり、「自社だけでは完結しない」課題として重くのしかかっています。
しかし、いざ取り組もうとすると疑問が浮かびます。
「仕入れ先や協力会社の排出まで、本当に責任があるのか?」「サプライヤーの活動は自社でコントロールできないのに……」
多くの企業が、この“責任の線引き”に悩んでいます。
Scope3については、以下の記事で紹介しています。
2. 「責任」から「協働」へ――サプライヤーエンゲージメントの発想
Scope3は、突き詰めればサプライヤーのScope1の集合体です。
つまり、自社が調達する製品やサービスの背後にある排出は、サプライヤーが日々の業務で排出しているもの。
ここで注目すべき考え方が、サプライヤーエンゲージメント(Supplier Engagement)です。
「責任を負う」ではなく、「一緒に削減を進める」ことを目指すアプローチです。
3. サプライヤーエンゲージメントの具体例
実務で取り組みやすい例として、以下のような施策があります。
①教育・情報提供
- 自社主催のオンライン研修で、排出削減の方法や計測手法をサプライヤーに解説
- 温室効果ガス削減のチェックリストやベストプラクティスをPDFで配布
②目標共有・共同改善
- 年間CO₂削減目標を自社とサプライヤーで共有
- 物流パートナーと集まり、ルート改善や燃料効率の議論を定期開催
③インセンティブ・支援
- 削減率に応じた契約更新優遇や価格優遇
- 低炭素燃料の導入やカーボンニュートラル給油カード利用をサポート
④モニタリング・可視化
- 排出量データを集計し、ダッシュボードで進捗を共有
- 成果を社内外で報告し、改善行動を促す
4. まずは“自社のScope1”から始める現実的な一歩
サプライチェーン全体を一度に変えるのは難しいですが、自社のScope1削減から始めることは現実的かつ効果的です。
Scope1とは、自社が直接排出するCO₂――たとえば車両の燃料使用などです。ここを見直すことで、自社の削減実績をつくり、さらにサプライヤーのScope1削減(=自社のScope3削減)に波及させることが可能です。
伊藤忠エネクスの「カーボンニュートラル給油カード」は、まさにこの考え方を体現しています。
- 自社の車両給油に伴うCO₂(Scope1)を、カーボンクレジットでオフセット
- 協力会社や物流パートナーにもカードを広げることで、サプライチェーン全体の脱炭素に波及
- 排出量の可視化により、削減状況をサプライヤーと共有できる
“まずは自社で導入し、仕組みを理解し、次に取引先と共有する”
この流れが、Scope1対応ツールを活用したサプライヤーエンゲージメントの第一歩です。
まとめ:脱炭素は“巻き込み”の時代へ
脱炭素の責任を「どこまで負うか」ではなく、「誰と進めるか」に発想を変える。自社のScope3対策をサプライヤーとの連携の起点にする。これが、Scope3時代の現実的で持続可能なアプローチです。
伊藤忠エネクスの「カーボンニュートラル給油カード」は、燃料起点での排出を手軽に可視化・オフセットできるScope1対応ツールです。
脱炭素の“社内実践モデル”として導入しやすく、サプライヤーとの協働への第一歩として取り組みやすい選択肢です。
資料では、具体的な仕組みや導入事例もご紹介しています。
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