『CDP』とは?企業の環境開示における重要性と対策

投稿日: 2025年3月28日

【画像】CDPとは?今さら聞けない基礎知識

本記事は、サステナビリティ推進の担当になりたての方向けに、『CDP』の基礎的な内容をご紹介します。

基本講座の第二回です。前回の記事では、環境対策の重要な基準である「SBT」について解説しました。本記事では、「開示」に焦点を当てた環境関連の枠組みである『CDP』について取り上げます。

1. はじめに:CDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)とは?

CDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)は、企業や自治体に対し、環境情報の開示を促す国際的な非営利団体です。1999年に設立され、主に企業の温室効果ガス排出量や環境リスクの開示を求めています。

CDPの設立により、企業は自社の環境パフォーマンスを評価・公開することが求められ、投資家や他のステークホルダーに対して透明性を提供しています。

【参考URL】

CDP

 2.CDPと他の環境報告制度(TCFD、SBTなど)の違い

当サイト過去記事より転用

CDPと並んで注目される環境開示の枠組みにTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)やSBT(科学的根拠に基づくターゲット)があります。これらは混同されがちなので、CDPとの違いについてそれぞれ説明します。

2-1. TCFDとの違い

TCFDは、企業が気候変動に関連するリスクと機会を財務的観点からどのように開示するかに焦点を当てています。一方、CDPは、企業が開示する内容をより広範囲にわたる環境影響、特に温室効果ガス排出に関するデータに特化しています。

CDPにおける質問書は、企業がどのような対策を講じているのかを詳細に調査し、スコアで評価します。

2-2. SBTとの違い

SBTは、企業が温室効果ガス排出削減に向けて設定すべき具体的な目標(科学的根拠に基づくターゲット)を定める基準です。一方、CDPはその結果として企業の進捗状況を評価するためのツールとして機能しています。

これらの制度を組み合わせることで、企業は環境対策をより戦略的に進め、社会的責任を果たすことができます。

【参考URL】

TCFDとはーTCFDコンソーシアム

 3. CDPが求める対象企業と、参加企業の具体的な取り組み事例

CDPの開示依頼は、CDPと連携する機関投資家や金融機関からの要請に基づいて行われます。特に、温室効果ガスの排出が多いとされる業界(エネルギー、素材、製造、輸送、小売など)の大手企業を中心に、毎年約1万社以上が対象となっています。

たとえば、日本ではトヨタ自動車やソニー、三菱商事などのグローバル企業がCDPに回答し、再生可能エネルギーの導入、サプライチェーン全体での排出量管理、気候リスクを加味した事業戦略の見直しといった多様な取り組みを実施しています。

近年は、スコープ3(バリューチェーン全体の排出量)への対応が強く求められており、自社だけでなく取引先も含めた対策が重要です。また、企業価値の向上を目的に、TCFD・SBTと連携した長期目標を掲げる企業も増えています。

このように、現在は主に大企業が対象ですが、サプライチェーン全体への対応が求められる中で、中堅企業にも波及しています。取引先からの要求や資金調達時の信頼性確保の観点からも、早期の対応が求められています。

【参考URL】

GX RESEARCー環境スコアランキング

環境省『なぜサプライチェーン排出量を算定するのか?』

4. CDP質問書の構成と評価基準

CDP質問書は、企業の環境対策を多角的に評価する構成となっており、以下の主要カテゴリに分類されています。
(質問数は2023年版・気候変動質問書の例)

・ガバナンス(約10問)
経営層や取締役会がどのように気候変動を監督しているかを問います。

• リスクと機会(約20問)
気候関連リスクの特定、評価、対応方針などの情報を求めます。

• 戦略(約15問)
気候変動が企業戦略・財務に与える影響を定量的・定性的に開示。

• 目標と実績(指標)(約10問)
温室効果ガス削減目標の有無、その進捗状況、使用している指標など。

• 排出量(スコープ1,2,3)(約20問)
自社およびサプライチェーンを含むGHG排出量の算出方法・実績開示。

• イニシアチブ・認証(約5問)
SBT、RE100、ISO14001など外部認証の取得状況を確認。

【画像】CDP質問書14項目

出典)NET ZERO NOW『CDPとは?質問書の内容からAリスト企業まで徹底解説!』

質問書は毎年更新されており、国際的な潮流(例:TCFDガイダンス、IPCCレポート)に準拠して内容が高度化しています。

評価はA〜Dの4段階で、情報開示の網羅性・透明性・実効性の3要素でスコアが決定されます。Aスコアを目指すには、単に数値を示すだけでなく、「リスクにどう備え、機会をどう活かすか」を戦略的に説明する必要があります。

5. CDPへの回答方法と最適化のポイント

CDPに回答するためには、企業は自社のデータを正確に整理し、適切な情報を提供する必要があります。

まず、温室効果ガス排出量やエネルギー使用量などのデータを整理し、各部署と連携して情報を収集することが重要です。加えて、質問書に記載される内容について、各項目がどのように企業の環境戦略に結びついているのかを明確にすることも求められます。

スコアを上げるためには、企業がどれだけ実践的な対策を講じているか、またその効果がどれほど高いかを示す必要があります。再生可能エネルギーの導入や温室効果ガス削減に向けた進捗状況をしっかりと示すことで、CDPの評価スコアを改善することが可能です。

【参考URL】

CDP質問書

6. まとめ

CDPに参加することは、企業の環境責任を強化し、ステークホルダーに対して透明性のある情報を提供する大きなステップです。CDPへの積極的な回答は、企業がどれだけ環境に配慮し、持続可能なビジネスを実現しようとしているかを示す重要な指標となります。

CDPやカーボンクレジットなど、環境対策について話を聞きたい方や資料をお求めの方は、お気軽にお問合せください。


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